感染免疫学
科目・科目群 | 看護学科専門科目・専門支持科目 | |||||
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科目名 | 感染免疫学 | |||||
授業形態 | 演習 | 単位数 | 1単位 | 選択・必修 | 必修 | |
配当年次 | 1年 | 学期 | 後期 | 合計コマ数 | 15コマ | |
コース選択 | 該当なし | 他学科開講科目 | 該当なし | |||
科目責任者(学内連絡教員) | 佐々木 甚一(本間 ともみ) | 学内連絡教員 | 本間 ともみ | |||
科目担当者 | 佐々木 甚一 | |||||
身につける力 | 専門的知識に根差した実践力 | |||||
学習キーワード | 専門的知識、主体的学習力、クリティカル・シンキング |
1.科目のねらい・目標
ビル・ゲイツは「私財を投じて感染症撲滅に尽力したい」と発言した。感染症はそれほど世界的な社会問題である。集団で発症する感染症はその意味において他の疾患と異なる。それを理解するためには、重要な病原体名、増殖の仕方、病原体を殺菌する方法などを学習することが必要であり、病原体の人体への感染経路、感染・発症を防ぐためのワクチン、治療で問題となっている薬剤耐性などがそれに加わる。また、すべての分野の医療にかかわる知識として免疫学を習得しておく必要がある。リオ・オリンピックで問題になったジカ熱は日本には存在しないが、新しい輸入感染症として学習しておく必要がある。このように感染症学はダイナミックな学問であり、感染症は常に世界のどこかで発生していることを忘れてはならない。これから医療職に就く者のために最新の知識を教授するので、学生は全力で習得に努力してほしい。講義の最初日に、今世界的に話題となっている事例を提示してから授業に入る。
2.授業計画・内容・方法・準備学習等
1.授業計画・内容
総論:
第 1 回 微生物の構造、観察方法(染色)、顕微鏡の種類とそれらの特性
第 2 回 微生物の増殖、増殖条件、具体的な培養方法、培地の種類
第 3 回 感染と発症の差異、感染経路、日和見感染、院内感染、新興・再興感染症、食中毒
第 4 回 予防接種とワクチンの意味、ワクチンの種類、ワクチンの主作用と副作用
第 5 回 免疫とは、抗原・抗体とは、免疫関連臓器・細胞、抗体誘導機序、免疫反応を利用した診断法、
アレルギー、臓器移植、自己免疫疾患など
第 6 回 滅菌と消毒の差異、それらの具体的方法、スタンダードプレコーションとは
第 7 回 感染症に対する化学療法と作用機序
第 8 回 微生物の遺伝と薬剤耐性の遺伝子伝播様式
各論:
第 9 回 病原性球菌、グラム陰性好気性桿菌、グラム陰性通性嫌気性桿菌の各種
第10回 グラム陽性無芽胞桿菌、グラム陽性有芽胞桿菌、らせん菌、スピロヘータ、マイコプラズマの各種
第11回 リケッチア、クラミジア、ウイルスと細菌との差異
第12回 DNA系ウイルス(ポックス、ヘルペス、アデノ、パピローマウイルスなど)
第13回 RNA系ウイルス(ポリオ、ロタ、風疹、ノロ、インフルエンザ、麻疹ウイルスなど)
第14回 出血熱ウイルス、狂犬病、HIV、肝炎ウイルス、プリオン、バクテリオファージ
第15回 真菌感染症、原虫感染症の各種
2.方法
教科書は使用しない。その代わりにスライドに対応したプリントを用いて講義を行う。
3.準備学習
スライドに対応したプリントを一括渡すので予・復習に活用する。
3.教科書
指定しない。
4.参考書
必要な参考書は図書館に準備してある。また個人での購入可能な本は適宜紹介していく。
(英会話の本を一冊準備し、四年間その本を繰り返して使用する。語学は毎日の勉強である。)
5.成績評価方法
授業への参加度(10%)、筆記試験の結果(90%)で総合的に評価する。再・追試験は行う。
6.授業の工夫している点(授業改善アンケート結果やピアレビュー結果から検討した内容等)
学生による授業評価には対応している。特に自由記載事項は参考になるので指摘してほしい。
これまでの学生の受講態度は非常に良好であるのでこれを維持継続してほしい。
7.備考(学生へのメッセージ、購入が必要な物品等)
・グローバル化に備え英語は勉強し続ける。
・医療系ニュースには注意しておく。
・バランスのとれた人間になるために、理系の学生は文系の本を、音楽、美術などの鑑賞に時間を割く。医学の勉強だけでは人間を理解することができない。