看護基礎科学研究室

(R6.2.1更新)

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対人ケアマネジメント領域

博士前期・後期課程

 

教授

角濱 春美

カドハマ ハルミ(Kadohama Harumi)

<連絡先>

t_kadohama@auhw.ac.jp

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当研究室を紹介します

看護基礎科学研究室では、

看護学の基礎となる理論の開発や検証を目的とした研究を扱っています。 看護学は、人間という複雑な現象を対象とする学問であるため、看護学の基盤として、哲学・医学・心理学・ 社会学など、さまざまな学問分野で開発された理論や概念を、看護学に適用して発展してきた歴史があります。

概念導出(Concept derivation)や理論の移行を行う際には、看護の目的や方法にそれを適切に適用する必要があります。このため、「看護(学)は、何を目指し、何を特殊性としているのか」という問いの答えを探 索しつつ、研究を進めます。

対面での授業風景

対面でのゼミ

リモートでの授業風景

リモートでのゼミ

 

 

主な研究テーマ

□ 個別性のある看護に関する研究

概念分析とエキスパートナースへのインタビュー調査からその内容に迫りました。 

□ 看護師の感情労働に関する研究

看護師の仕事は、自身の感情の動きを伴うものであり、これが看護師の精神的な健康や、プロフェッショナルと しての成長に関係することが分かっています。看護師の感情労働と共感性、社会的スキルとの関係について質問 紙調査を行い、これらの関係性についての仮説モデルを提案しました。

□ 食欲を引き出す援助に関する研究

患者さんの食欲を引き出す援助は、看護実践の中で非常に重要です。概念分析でこれを探求し、この結果 をもとに、認知症の患者の食欲を引き出す援助についてエキスパートナースへのインタビューから概念枠組みを作 成しました。

□看護師のSOC(首尾一貫感覚)と職業経験の関連

新人看護師のSOCの経過と、職業経験との関連を検討しました。

□視覚による認知に関する研究

視点計測を用いて、患者さんの不快な状態に気づくことに関連する観察者(看護側)の要因を検討しました。

□高齢者の入浴時刻と睡眠状態との関連。

入浴の時刻によって夜間睡眠の状態に違いがあるのではないかとの仮説をもとに、高齢者施設において入浴時刻を変え、睡眠の測定をしました。

□ケアに伴う疼痛への先行性鎮痛の効果

痛みをあらかじめ鎮痛することの効果をランダム化比較試験で証明しました。

□国際看護の教育に関する研究

日本に暮らす異文化の方々への看護について、新たな教育プログラムを考案して効果を検討しました。

□看護学生のメタ認知に関する研究

臨地実習における看護学生のメタ認知について、模擬状況を用いて事例検討を行いました。

研究キーワード

□ 看護学

□ 睡眠

□ 看護アセスメント

□ 観察

□ 看護技術

□ フィジカルアセスメント

□ 普及

□ 看護教育

□ 認知

主な講義科目

□ 看護研究方法論(修士)

看護研究の基盤となる知識を獲得する科目です

□ 看護理論(修士)

概念分析の手法とその活用に関する協議を行います

□ アドバンスト・ヘルスアセスメント

ベーシックフィジカルイグザミネーションを学び、応用して臨床事例に適用する方法を学びます。

□ 機能看護学特論・演習(修士)

自らの研究テーマに即した看護、または看護周辺理論の理解を進めます

□ 看護学研究特論(博士)

看護研究の理論的背景を理解するためにsubstructionの技法を用いて文献を発展的にクリティークします

□ 対人ケアマネジメント特別演習(博士)

対人ケアに関わる重要な理論や新たな考え方について検討します

院生の研究テーマ・研究実績

□看護学における cultural competence の概念分析―Rodgers の概念分析法を用いて―

久保宣子,角濱春美

日本ヒューマンケア科学学会誌16(1) Page65-74 2023年

□Factors behind why nursing students do not recognize patient needs occurring while confirming intravenous infusion even when they observe them: A comparative descriptive design study 
Masaki Matsushima, Harumi Kadohama
Nurse Education Today 101 104886-104886 2021年6月

□看護観察における注視と認知に関する文献検討

松島正起、角濱春美

日本看護技術学会誌(19) Page14-22 2020年4月

□患者の不快状態に対する看護学生の気づきに影響する要因 看護学生の語りからの分析

松島正起、角濱春美

青森中央学院大学研究紀要33巻 Page17-27 2020年3月 

□日本における看護師のSOC(Sense of Coherence;首尾一貫感覚)に関する文献レビュー : 健康生成モデルを基盤にしたSOCに関連する要因の検討 
村上 純子, 角濱 春美
日本ヒューマンケア科学会誌 10(1) 1-10 2017年3月
□認知症高齢者の自発的な摂食行動を引き出す援助の構造 
中村祥子, 角濱 春美
日本ヒューマンケア科学会誌 9(1) 2-16 2016年3月

□看護実践における「食欲を引き出す援助」の概念分析

中村祥子,角濱春美

日本ヒューマンケア科学会誌 8(1) Page1-10 2015年3月

□看護師の共感性および社会的スキルが感情労働に及ぼす影響

長尾雄太,角濱春美

日本看護管理学会誌 19(1) Page9-19 2015年5月

院生の声

□臨床看護師として働きながら修士で学んだ学生の声です

私は病院に勤めながら大学院に通っていました。看護師として仕事をしながらの学びはたいへんな部分も多々ありましたが、指導教員は院生の仕事に合わせて予定を調整してくれたため、無理なく仕事と両立することができました。学習環境としては、授業は平日の夜間や土日に組まれており、また多くの授業がオンライン授業に対応しているため、遠方に住んでいたり、仕事の都合で大学院への移動が難しいという状況でも授業を受けやすい環境が整ってると感じました。授業は少人数制で、本大学院には、「保健・医療・福祉政策システム」、「対人ケアマネジメント」、「基礎研究・実用技術」の3つの研究領域を設けられているため、専門分野の異なる複数の院生や教員との活発なディスカッションにより広い視野を身につけることができたと感じています。

急性期病院で働き、日々の多くの治療や処置といった『医療』に追われる中で、『看護』を実践できているのか疑問を感じていましたが、大学院では『看護とは何か』ということを深く考え、探求する良い機会となりました。大学院で学んだ高い専門性を発揮し、Evidence-Based Nursingを実施するためこれからも看護を探求していきたいと思います。

□大学教員として働きながら博士で学んだ学生の声です

大学院では、学ぶ機会を全力でサポートしていただきました。

仕事をしながらの研究活動は、時間の使い方に工夫と努力が必要です。

私は、ほとんどリモートで研究指導をしていただき、研究室内の発表会もオンラインで行われました。

そのため、移動時間の節約や仕事との調整ができ、時間を有効に使えて仕事との両立が叶いました。

当研究室への進学を希望する方へ

看護基礎科学研究室は、扱う研究範囲が広く、とる研究手法も多岐にわたるので、まずはご相談いただければと思います。

修士課程では、看護の探求に燃えている方はもちろん、「少し違う視点から看護を考えられたら自分の将来が見えるかもしれ ない」、と思っていらっしゃる方が修士課程で学んでみることもお勧めします。

博士課程においては、看護技術や看護教育、生活リズムを整える看護についての研究で、ご自分の研究テーマについてのReal Reason(臨床的な研究疑問、解決したい看護場面)や持ち、あきらめず探求できる方と一緒に看護を探求したいと思っています。

 

 

 

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