大学院生からのメッセージ
研究テーマの社会的意義を問い、探求を進める贅沢な時間
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木村 文佳 さん 健康科学研究科 博士前期課程 (平成29年度) |
私は、博士前期課程の2年間で、これまで業務や日常を理由にして、解決を後回しにしてきた理学療法士としての疑問をテーマに掲げて研究をしました。大学院の課程で経験したことは、どれも新鮮でやり甲斐のあることばかりでした。臨床を経験したからこそ、講義や研究に際し、問題意識を持ち主体的に臨めたような気がします。
先行研究の検討や教員の先生方とのディスカッションを通し、客観的な視点で物事を見たときに、自分一人では気づけない新たなベクトルを持つことができました。講義では、思考を整理してまとめ他領域の院生とプレゼン
テーションをし合う機会が多いので、多角的な視点を得ることができました。
さらに、大学院の研究過程で得られた知見を学会で発表し、他分野を専門とする方の意見を広く拝聴することで、自身が追求したいテーマの社会的意義や考察を深化させることができました。おざなりにしていた出来事と対峙し、新たな世界観を持てたことは、私の財産になりました。
自身が明らかにしたい仮説について検討することは、決して簡単なことではなく、多大な労力と時間がかかります。しかし、辛く苦しいときには、一緒に学ぶ院生、教務学生課の事務職員の方々並びに教員の先生方が支援してくれました。博士前期課程の2年間で、じっくりと、研究の基礎を学び、自分自身の探求を進める贅沢な時間を過ごすことができました。
「看護とは何か?」を、改めて考える貴重な時間。
伝法谷 明子 さん
健康科学研究科 博士前期課程 青森県立保健大学 看護学科 助教 |
私は青森県立保健大学看護学科を卒業し、臨床で看護師として勤務したのち、本学の看護学科に就職しました。
日々看護学生と看護を学ぶ過程において、これまで臨床で行ってきた看護を振り返る機会が多く、様々な研究成果の積み重ねが今の看護に繋がっていることを実感しました。研究の大切さを改めて感じ、看護について深く学びたい、研究の基礎を身につけたいという思いから大学院への進学を決意しました。
大学院の講義は、先生方の講義を聞くというよりも、自分達で課題に取り組みプレゼンテーションを行います。
そのため事前の自己学習が必須となりますが、常に自分の考えが求められ、自分はどのように考えるのか、それはなぜなのかという思考過程を積み重ねることで、実際の研究でも研究の意義は何なのか、なぜこの研究方法を選択したのかなどというように、常に自分に問いかけながら考えを整理し表現することの大切さを学びました。
また、一緒に学ぶ院生の存在はとても大きく、課題に悩んだ時、研究がなかなか進まない時も仲間の存在があったからこそ励まし合いながら最後までやり遂げることができました。
これからも患者さんや家族の看護に少しでも貢献できるよう、様々なことに疑問をもちながら探求する姿勢を大事にして研究に繋げていきたいと思います。
大学院でのより専門的な分野の研究は、自分の視野や選択肢を大きく広げることができる有意義な時間。
三浦 恵美 さん
健康科学研究科 博士前期課程 |
私は、本学栄養学科在学中に食品機能学に興味を持ち、将来は食品企業で管理栄養士として商品開発に携わりたいと思うようになりました。そのためには、研究の基礎や物事を科学的に捉える力を身につけたいと考え、そのまま大学院へ進学しました。
大学院の特別研究は、学部の卒業研究よりも多くの時間をかけて取り組むことができます。そのため、実際に実験して得られた結果が予想外なものであっても、その結果を踏まえて新たに実験に挑戦するなど、研究の醍醐味を学ぶことができました。授業は働きながら通う社会人の方に合わせて、平日の夜や土曜日などに集中しているため、日中は実験やデータ解析を進めたり、文献を読んだりと自由に時間を使うことができます。また、個人研究費を使って多くの学会に参加し研究成果を発表するなど、貴重な経験をすることもできました。
大学院へは、就職せずフルタイムの学生として入学したため、日本学生支援機構の第一種奨学金の貸与を受けることが出来ましたし、経済的な理由による学費免除制度も活用していました。また、修了の際には、大学院での業績が認められたため、奨学金の一部の返還が免除されました。
大学の授業を通して興味を持った分野を追究したい人、社会に出て働く中で抱いた疑問を研究したい人、より高度な知識や技術を身につけたい人にとって、大学院で実際に調査や実験を通して学ぶことは、自分の視野や選択肢を広げることができる有意義な時間であり、そこが大学院の楽しさだと思います。
私にとって大学院で学んだ時間は、自分自身を見つめなおし、自分の可能性を広げることができた貴重な2年間でした。これからは、管理栄養士としての考え方と大学院で学んだ研究者としての科学的な考え方という2つの視点を活かして、働きたいと思っています。
自分の視野をさらに大きく広げる、国内外の学会や発表。
坂本 麻結 さん
健康科学研究科 博士前期課程2年 理学療法学分野 運動生理学領域 在籍※平成27年時点のメッセージです。 |
私は、青森県立保健大学理学療法学科を卒業し、そのまま大学院へと進学しました。
学部生のときは、理学療法士になるために解剖学や生理学などの基礎知識から日常生活動作学や義肢装具学などの専門分野までを幅広く勉強してきました。
その中でも私は特に運動生理学という運動中の身体反応の変化などを学ぶ分野に興味を持ち、より勉強したいと考えそのまま大学院へ進学することに決めました。現在は運動生理学領域を専攻し勉強しています。
大学院は働きながら通う方も多く、授業は平日の夜か土曜日、長期休暇に集中講義という形で行われることがほとんどです。
学部生のときは1日のほとんどが授業を受けることで終わっていましたが、現在は日中に授業がないため自分がやりたいことや興味のあることを調べたり、研究を行ったりと、ある程度フレキシブルに時間を使うことができます。
また国内各地や国外の学会に参加・発表する機会もあるため、各地でたくさんの刺激を受けることもできます。
現在は臨床の現場からは離れていますが、今後も臨床への応用を考えながら研究を進めたいと思っています。
高い専門性を身につけるために。
篠原 春佳 さん
健康科学研究科 博士前期課程 |
私が大学院へ進学したいと思った理由は高校までスポーツをしており、スポーツと食事・栄養の関係についてもっと知りたいと思ったからです。
また、学部で学んだ知識や技術をさらに深め、管理栄養士としての専門性を高めたいと思い、大学卒業後、そのまま大学院へ進学しました。
修士論文の調査では運動部の高校生を対象に行い、実際に高校生と関わりながら、今の食生活がよりよくなるように働きかけていくことの難しさを痛感したと同時に、人と接することの楽しさも感じました。
授業では自らの考えを述べる機会が多く、より専門的になり、みんなで検討したことや先生方の丁寧な指導のおかげで、幅広い視野を身につけることができたと思います。
大学院には仕事をしながら勉強する多職種の仲間がおり、同じ管理栄養士だけでなく、他職種の現場での様子を聞くことができ、とても刺激を受けました。
大学院でともに学んだ仲間は今でも互いに励まし合い、助け合うかけがえのない存在となっています。
大学院で学ぶことの大きな一つとして、自分が興味あることや疑問に思ったことを客観的に捉え、研究として計画し、調査を実施し、分析を行い、論文にまとめ上げ、公開することによって、広がる可能性を見出していくプロセスとその重要性があると思います。
私は春から市の栄養士として働いていますが、大学院で学んだことを活かして高い専門性を発揮するとともに、興味がわいたことや気になったことなど視点を変えて捉え、探求していきたいと思います。
自分の疑問や表現したいことを形に表し、解決する力を身につける。
伊藤 耕嗣 さん 健康科学研究科 博士前期課程 看護学分野 論文コース 修了(平成25年度) 青森県立保健大学 看護学科 助教 |
私は、病気をもつ子どもがその子らしく成長発達していくための力になれる看護師になりたいと思い、本学の看護学科に入学しました。
大学では、子どもの成長発達に関わる家族の重要性や、病気を抱える子どもの家族の大変さについて学びました。
そのため、家族の大変さについて卒業研究で取り組み、家族がそれぞれの役割を調整しながら乗り切ろうとする困難さについて知ることができました。
病院に就職してからは、家族と離れることが入院している子どもの成長発達に影響を与えていることを実感しましたが、家族も他のきょうだいの育児や仕事などをしながら精一杯頑張っていました。
看護師もそのような状況に困難やジレンマを感じ、私はこうした問題を形にし、解決に向けて取り組んでいくために、大学院への進学を考えるようになりました。
現場から本学看護学科に就職し、周囲の皆様のご理解とご協力を得て、翌年には大学院に進学することができました。大学院では仲間とともに学び、視野を広げながら自分の考えを表現し、議論し合い、少しずつ疑問を形にしていくことができましたが、この「生み」の作業はとても大変でした。
先生方にも何度も相談し、ご助言いただきました。
根気強くご指導いただいた先生方には感謝してもしきれません。
何度も心が折れそうになりましたが、大学院で研究というプロセスを学び、私が看護師を志した「その子らしく成長発達していく力になること」という思いを、少し表すことが出来たのではないかと思います。
今後も子どもと家族にどのように関わっていけば良いか、広くその助けになるような研究をしていきたいと考えています。